教育課程の編成に関する基本方針
ディプロマ?ポリシーが定める5つの資質は以下のように関係づけられます。「1.能動的に学ぶ力」と「2.世界の多様性を観る力」は、本学の学びを基礎づける資質となります。この基礎の上に「3.高度な外国語運用能力」と「4.専門的思考力?表現力」という複眼的な資質を養うことを目指します。これら4つの資質に基づいて「5.グローバル化された社会で行動し生きる力」を養成し、「行動する国際人」の育成を図ります。
この考え方に基づいて、カリキュラム?ポリシーではディプロマ?ポリシーで定める5つの資質の育成に主として寄与する科目群を策定するとともに、別に定めるカリキュラム?マップを通じて各授業科目がどのような資質の育成を図ろうとするかを明示することにより、体系性を持った教育課程を編成します。
教育内容
(1)
「能動的に学ぶ力」をもち、世界で活躍できる人間に必要なリテラシーや倫理を獲得するために、多様な学問分野から成る「全学共通科目」に加えて「高大接続科目」を配置し、大学での学びの基盤を養うとともに、ものの見方の多様性への理解を促します。
(2)
学科に「学科基礎科目」を配置して各専攻言語のみならず背後にある文化や社会に対する理解を深め、「世界の多様性を観る力」を養います。また、専攻する言語の他に、もう一つ別の外国語を修得する「兼修語学」科目を体系的に提供します。兼修語学では、他人の意見を理解し自分の意見を表明することができる能力を身につけさせるとともに、専攻する言語との対照を通じて複眼的な思考を養います。
(3)
「高度な外国語運用能力」を獲得させるために、「専攻語学」科目を体系的に提供します。開講するすべての授業科目をそれぞれのレベルに応じて4つの階程の中に位置づけ、段階的に学修を進めます。
(3.1)専攻英語
Ⅰ?Ⅱ階程では、講読?発音?文法?作文?会話等の演習を通して英語の運用能力を能動的に培うとともに、英語圏の文学?文化?歴史?社会?言語についての教養を身につけます。Ⅲ?Ⅳ階程では、本学で提供されているコースでの研究に不可欠な、より高度な英語の受信?発信能力を養います。
(3.2)専攻ロシア語
Ⅰ階程ではロシア語の正確な発音と基礎文法の定着を図ります。Ⅱ階程では文法理解を深めるとともに、定型表現を習得し対話能力を養います。Ⅲ階程では多様な分野のテキストを素材に、ロシア語を通した世界の見方や異なる文体や修辞法を学習します。また、より複雑な内容を話題にした表現力を養います。Ⅳ階程では専門的なテキストの読解力、ならびにプレゼンテーションや交渉などに必要な自己表現力?対話力を強化します。
(3.3)専攻中国語
Ⅰ階程では中国語の基本的な発音と文法、及び会話のために必要な基礎的語彙力を養います。Ⅱ階程では常用語彙とやや高度な文法の知識を定着させるとともに、使用頻度の高い構文や慣用表現にも段階的に知識を広げ、より中国語らしいコミュニケーションのスタイルを習得します。Ⅲ階程では様々な文章を味わう力を養うとともに、より高度な会話、作文の能力を身につけさせます。Ⅳ階程では中国語を実際に応用するための総合的な表現力を養います。
(3.4)専攻イスパニア語
Ⅰ階程ではイスパニア語の基本的な文法事項と正確な発音の習得を通じて、運用の基礎を養います。Ⅱ階程ではより高度な文法事項の習得によって、情報を正確に理解、発信する力を養います。Ⅲ階程ではより幅広い分野における文を理解し、発信できる力を養います。Ⅳ階程では高度な内容を理解し、自らの見解を効果的に発信するための能力を養います。
(3.5)国専英語
Ⅰ?Ⅱ階程では、講読で幅広い分野の英文に触れることによって国際問題への意識や関心を養うとともに、作文、会話を通して実用的な運用能力を身につけさせ、ディスカッション、ディベート、プレゼンテーション等によって自己を表現する力を養います。Ⅲ?Ⅳ階程では、英語の高度な知識と運用能力、及び国際社会で通用する表現力を養います。
(4)
外国語学部英米学科、ロシア学科、中国学科、イスパニア学科では、2年次から5つのコースのいずれかに所属して専門的な科目を学びます。高度な外国語運用能力に加えて、体系的な学問習得により柔軟かつ論理的な思考力と精緻な表現力を身につけます。
国際関係学科では、専門教育における学際性をより重視し、2年次から4つのコースのうち、1つを主専攻、もう1つを副専攻とし、2つの専攻分野の知見をもとに国際問題を複数の視点から観察、分析し、思考する力を身につけます。さらに、第2部英米学科では、3年次から3つのコースに分かれて専門的な科目を学びます。
また、コースを横断する形で開講されるテーマ研究プログラムでは、学生は各自の希望やニーズに応じて、特定のテーマ?分野についての理解を深めることを目指します。
【学部】
(4.1)語学文学コース
語学文学コースでは、英語、ロシア、中国、イスパニアの各言語圏における言語、文学、文化に関して、体系的かつ多様な授業を開講し、これらの分野についての十分な専門的知識を養うとともに、柔軟な言語運用能力と複眼的な批判的思考力の養成を行います。
(4.2)国際法政コース
国際法政コースでは、国際関係論、政治学、法学、地域研究などの研究領域を踏まえながら、国家間の反目や衝突、民族問題、排外主義思想など、様々な政治的な緊張や対立に向き合い、国際社会、国家、民間組織、個人として如何に対処し解決を導くのか、政治体制や法、理念?思想などの問題として考察することを促します。また、このなかで、国際平和秩序の形成に必要な構想力を培います。
(4.3)経済経営コース
経済経営コースでは、経済学?経営学?商学の分野について学生の問題意識を広げ、深めることを可能にするため、ミクロ経済学、マクロ経済学、経営学、会計学及びそれに関連する授業を段階的?体系的に開講し、経済経営の視点から現代の諸問題を分析する力を養います。そのことを通じて、自らの考えを体系的にまとめ、広い国際的視野に立って活躍しうる人材の養成を図ります。
(4.4)多文化共生コース
多文化共生コースでは、異なる価値観の共生が可能な社会の構築に向けた実践力を養うことを目指します。移民やLGBTQ、宗教的マイノリティ、異文化理解などについて分野横断的に学び、複眼的な視点を身につけることで、多様な価値をつむぐために他者と協働する能力を磨きます。
(4.5)リベラルアーツコース
リベラルアーツコースでは、哲学?社会学?心理学?言語学?歴史学?教育学?情報科学?自然科学?スポーツ文化論などの多様な学問体系を体系的?専門的に深く学ぶことを通して、幅広い教養と自由で豊かな発想力、そして次代を切り開く新たな価値を創造する力を養成します。
【第2部英米学科】
(4.6)英語学?英語研究コース
英語学?英語研究コースでは、英語学、応用言語学、英語教育学などの分野に関して英語をより深く理解することを目的とした体系的かつ多様な授業を開講し、これらの分野についての十分な専門的知識を身につけさせるとともに、柔軟な言語運用能力と複眼的な批判的思考力の養成を行います。
(4.7)英語圏文化文学コース
英語圏文化文学コースでは、英語圏の文化、社会、文学などの分野に関して、ことばとその背後にある文化や社会をより深く理解することを目的とした体系的かつ多様な授業を開講し、これらの分野についての十分な専門的知識を身につけさせるとともに、柔軟な言語運用能力と複眼的な批判的思考力の養成を行います。
(4.8)法経商コース
法経商コースでは、社会人として国際的な場で活躍できるよう、法学?経済学?経営学?商学の分野についての理論的?実践的な授業を提供し、学生の問題意識を広げ、深めます。そのことを通して、社会がどのような仕組みで動いているのかを理解し、法学及び経済経営の視点から現代の諸問題を分析でき、広い視野に立って活躍しうる人材の養成を図ります。
(5)
各自の学びの経験に基づいて自ら課題を発見し、学術的基盤に立った論理的な分析を行うことを通じてその課題の解決を図るため、2年間にわたるゼミ形式の「研究指導」を配置し、世界を俯瞰する視点と世界に向き合う姿勢を養います。
学修成果の評価
各授業の成績評価では、本学で定める成績評価基準及び授業科目毎に定める評価の方法?基準に基づき、厳格に評価します。
語学教育(専攻語学?兼修語学)では、当該言語とその背景に対する理解と知識に裏打ちされた運用能力について、各階程ごとに設定した到達目標に照らし、一定の水準に達しているかどうかを評価します。全学共通科目、学科基礎科目、コース科目など語学教育以外の各科目区分では、ディプロマ?ポリシーに照らし、一定の水準に達しているかどうかを評価します。どちらも、その成果はGPAに反映されます。そのような成績評価の可視化によって学生が主体的に自己の到達度を認識、評価できる機会を提供します。
学位は、ディプロマ?ポリシーに定める「能動的に学ぶ力」「世界の多様性を観る力」「高度な外国語運用能力」「専門的思考力?表現力」「グローバル化された社会で行動し生きる力」の5つの力を身につけているかどうかを総合的に評価したうえで、授与します。