中国学科准教授
福長悠 (ふくなが はるか)
Associate Professor
Haruka FUKUNAGA

MESSAGE

20世紀前半は世界的に見ても戦争と革命の時代であり、西洋近代の価値観が大きく揺らいだ時代でした。作家たちは人の心理や主観に焦点を当てることにより危機の時代の苦しみを表現し、小説の構造や言語の革新により人や社会を描く新たな視点を探ろうとしました。文学は「こころ」や「ことば」というあいまいで不確かな存在に焦点を当てます。しかし、現代社会では不確かなものに向き合うことこそが求められています。その意味では、20世紀の作家達の課題は私たちの課題でもあるのです。

最終学歴 Degrees

東北大学文学研究科博士課程後期3年の課程修了
博士(文学)

研究分野 Research Field

中国現代文学
20世紀前半の中国文学を主に研究しています。近代化によって中国社会が直面した変化と危機に対して関心があり、近代都市の光と影を描いた作家としてモダニズム作家の穆時英に注目しました。作品のうち特に社会的動乱を描いた作品に焦点を絞り、テクストを丹念に読み解きつつ、当時の新聞や雑誌を参考に、事実とフィクションの関係を探る研究をしています。また、最近では穆時英と同じく民衆の俗語を用いた作家として張天翼の作品を研究し、言語遊戯や社会風刺の観点から、ことばの面白さと深さを探求しています。

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