神戸市外大

将来の夢ですか?
有名人になります!

貴田菜ノ花 外国語学部 中国学科 2018年度入学/2022年度卒業

就職しないという決断。

 小学生低学年のころから十数年間、武術太極拳という競技にのめり込み、じぶんを賭して取り組んできました。その気持ちは、いまも変わりません。卒業後は仕事と両立させるのではなく、武術太極拳一本で生きていきます。
 コロナ禍の2020年、大学3年生の夏。まわりのひとたちはみんな就職活動をはじめていました。そんな仲間を見ると、「私もちゃんと就活しないとやばいかなあ?」という想いと、「就職してしまうと競技と仕事を両立していけるだろうか」という想いが、じぶんの中で交錯してきました。(就職して競技を続ける先輩方から仕事と競技を両立する難しさを感じていたからです。)
 悩んだ挙句の答えは、シンプルでした。武術太極拳一本で生きていこう。 “就職”や“アルバイト”で生計を立てるのではなく、スポンサーを獲得するなど、じぶんに合った新たな方法を見つけようと決意しました。

武術太極拳という競技で生きていく。

 私の考えは仕事と競技の両立ではなく、競技を中心にして生きていくということです。自身が大会で良い成績を残すことはもちろん、後輩たちが私のように進路で悩むことのないように(武術太極拳という競技に夢を与えるために)、後輩たちのロールモデルにもなろうと思いました。

スポンサーを獲得する。

 スポンサーを獲得するためには、まず営業と思いがちです。でも私はそうしないで、手始めにSNSでの投稿を活発に行うようにしました。そこでじぶんの想いをたくさん発信し続けました。結果、さまざまな方と繋がることで人脈がどんどんと広がっていきました。
 すると不思議なことに、企業側から連絡をいただくことが増えていくんです。中には悪意のあるメッセージもありました。だから連絡があるたびに相手の真意をじっくり考え、知人に相談するということを繰り返し、相手側と話を進めていきました。そして個人と企業のスポンサーが2つ、商品提供などの支援で1社、キャリア支援で1社を獲得することができました。

まわりのひとの協力があってこそ。

 スポンサーが集まりだして、改めて感じたのはまわりのひとの“協力”です。コロナ禍で大会もなく、私の演武をみてもらえない日々が続いています。でも、たくさんの応援メッセージが届いたり、私の言葉に奮い立ったと言ってくれる方々がいました。出会った一人ひとりが私のことを親身になって考えてくれました。ときには必要な方と繋いでくれたり、考えをしっかりと聞いてくれました。そのたびにじぶんの想いを熱く伝えていきました。伝えることでじぶんの考えはどんどん明快になり、やりたいこともはっきりしていきました。
 本当に支えてくださる方々のおかげだ、協力のおかげだと感じています。まだまだ試行錯誤の毎日で、完全に思いどおりになし得ているという達成感は正直ありません。でもこの活動をはじめて、“困難”の多さよりも “協力”の多さを感じました。

1人でウジウジしていても仕方がない。

 SNSでの発信を通じてじぶんのフィールドにはないコト、いないヒトと出会えました。専門競技の中だけにいては知り得なかったこと、わからなかったこと、出会えなかったひとがたくさんいます。
 じぶんの想いは自ら発信することではじめて誰かに伝わります。その発信を見てくれているひとが必ずいて、誰かが手を差し伸べてくれました。1人でウジウジしていても仕方がないことを知りました。

将来の夢を決めることができました。

 あきらめずに目標に向かってがんばっていると、その行動は必ず報われると思います。途中で諦めないことです。
 私は将来、有名人になります!それは、諦めることのない夢です。有名になることで武術太極拳という競技を、もっと光の当たる存在にしたいです。

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