博士課程

博士課程では、言語、文化、歴史、政治、経済、社会、国際関係等の領域を、「交流」、「接触」、「摩擦」、「共生」といった相互の関係性の中でとらえ、研究領域の枠組みをできるだけ緩やかで柔軟なものとすることによって、それぞれの分野が相互に刺激し合い活性化するような教育課程の編成を実現します。

文化交流専攻

本専攻は、「人文社会科学の最先端をリードする研究」を遂行するための十分な力を身につけ、学術的動向の第一線において独自の視点から問題の発見とその解決を行える能力を持つ自立した研究者の養成を行います。
執筆計画書、年次報告書の提出により研究の進捗状況を段階ごとに評価し、博士論文完成に向けた指導を行います。

博士課程の学修成果の評価

各科目の成績評価は、本研究科で定める成績評価基準および授業科目ごとに定める評価の方法?基準に基づいて行います。
博士論文は、主題の選択が妥当か、研究方法が主題と適合しているか、資料や文献の調査が適切に行われているか、論旨は明晰であるか、当該領域において高度の独創性が認められるか、などの観点から複数の審査員が総合的に評価します。

修士課程

修士課程では、広く深い学術的知見の獲得と問題発見?解決能力の育成、当該分野の学術動向の把握、広範な学識の習得ないし深い異文化理解能力の養成を可能とするため、体系的で柔軟性に富んだ教育課程の編成を実現します。

英語学専攻

本専攻は、英語の高度な運用能力と専門分野に関しての幅広い学術的知見を身につけると同時に、異文化理解を深めることを目指します。
本専攻は、「人文社会科学の最先端をリードする研究者」を目指す「修士課程論文コース」、「幅広い国際感覚と高い外国語運用能力」を身につけることを目指す「課題研究コース」とに分かれています。

【語学領域】
「英語」を中心に言語のしくみを探るべく、現象の記述や実験を中心とした実証的な研究や、さまざまな枠組みでの理論研究を行うための指導を行います。

【文学領域】
英語で書かれた文学作品の精読と先行研究の調査を通し、作品やその背景にある社会、文化、歴史に対する理解を深め、その成果を学術研究として発表することを目標とします。

【通訳翻訳学領域】
通訳翻訳行為のプロセスとプロダクトについて理論的考察を深めるとともに、実際の具体的な訳出を観察?分析し、自らの通訳翻訳の実践力も高めることを目指します。通訳翻訳の対象となる言語ペアは日本語と英語を基本とします。

ロシア語学専攻

本専攻は高度なロシア語運用能力と幅広い教養、そして高い専門知識を持ち、日本におけるロシア研究をリードするとともに、国際的な舞台でも学術研究に重要な貢献をなしうるような人材の育成を目的としています。
そのため、本専攻では、高度なロシア語運用能力と専門知識を養成する科目(ロシア語学研究、ロシア語学演習、ロシア文学研究、ロシア文学演習、ロシア文化研究などから選択)と、幅広い教養を養成する科目(共通科目や他専攻課程の科目などから選択)を、ロシア語学専攻の履修規定に従って履修することになります。

中国語学専攻

本専攻では、中国語学または中国文学?文化の側面から中国語圏に関する研究を行います。
語学領域では、現代中国語文法、日中対照言語学、中国語歴史文法、中国語音韻史?方言など、また文学?文化領域では、中国現代文学、中国古典文学、文化人類学、現代中国政治など、中国語圏に対する多面的なアプローチを行い、将来的には自分の専門以外の知識も幅広く身につけた、いわゆるシノロジストに近づくことを目指します。

イスパニア語学専攻

本専攻は、専門領域および周辺領域を含めた幅広い視野で人文社会科学の最先端を見据え、その研究能力を生かして教育研究活動や専門的な職業に従事する人材の養成を目指しています。
語学領域では日西対照言語学、外国語としてのイスパニア語(スペイン語)教育など、また文学領域ではイスパニア語圏の文学、思想、歴史、文化などの研究をとおして、高度な言語運用能力と深い異文化理解を基礎とした広範な学術的知見の獲得およびその成果の還元に資する教育課程を編成しています。

国際関係学専攻

本専攻は、本学の長年にわたる外国語教育の伝統を基礎に、法律?政治、経済?経営、文化の3領域から国際関係学を多面的?総合的に研究できるシステムを備えています。
少人数での討論を重視した教育方法を採用し、国際社会における問題解決能力を身につけた人材を育成することを目標としています。

【法律政治領域】
本専攻?法律政治領域は、十分な語学力を基礎に、グローバル化する国際社会を理解するために、地域学的視点と国際関係学的視点の双方から多面的に教育?研究を進め、専門分野である法学?政治学に関する高度な専門性を有する人材を養成する方針を採用しています。
本専攻では、修士論文が必須の「論文コース」と課題研究とその報告を必要とする「課題研究コース」とから構成されていますが、両コースとも、主たる専攻である法学?政治学関連の科目に限らず、同一専攻内の他領域の科目(例えば、経済学?経営学系科目)のみならず、一定の範囲で他の専攻の科目をも履修できるシステムを採っています。これは、複眼的?学際的研究を可能にするための履修方針に基づいています。

【経済経営領域】
本専攻?経済経営領域は、グローバル化が進む国際社会の諸問題を独自の視点で分析できる人材、またはグローバルビジネスの現場で専門性を生かし活躍できる人材などの養成を目指し、経済学、経営学、国際商務論に関する教育?研究を行います。
本専攻の「論文コース」は修士論文の執筆が必須です。「課題研究コース」は、研究成果の報告もしくは筆記試験により、研究課題の達成度を評価します。学際的な教育?研究を重視するために、両コースとも、法律領域などの同一専攻内の他領域の科目も履修可能です。

【文化領域】
本領域においては、人間の文化的営みを、歴史、哲学、文学、スポーツなど、多岐にわたる角度から深く掘り下げて研究していきます。学生が各自の興味、問題意識にそって指導教員を選び、議論を経て、「オーダーメイド」のカリキュラムを組んでいきます。
必要に応じて、他専攻、他領域の科目を履修することもできます。与えられた課題をこなすのではなく、自分は何を研究したいのか、そのためには何をすべきか、ということ自体を絶えず問い直しながら研究を進めていくことになります。

日本アジア言語文化専攻

本専攻は日本とそれを取り巻くアジア地域における言語および文化の研究の遂行を目的としています。そのために必要となる言語運用能力と基盤となる背景知識を修得し、日本およびアジア諸地域の言語?文化に対する俊英な観察眼と分析力を養い、学術研究活動の第一線あるいは高度な専門性を持った職業で活躍しうる能力を育成します。
本専攻では、日本語領域、日本文化領域、アジア言語文化領域を設け、各分野での専門性を高めています。

すべての領域において以下の科目を履修します。

研究科目:専門的な研究をすすめる上で必要となる基礎知識の習得と研究手法を学ぶための科目
演習科目:専門知識とその周辺に広がる分野に関する知識を習得しながら、研究能力を育成するための科目
特殊講義:講義形式により、問題を掘り下げていきながら個別のテーマの深い理解を目指す科目
指定授業科目:専門的な研究をする上で、各学問領域の基礎を固めるほか、語学的素養を高めるための科目

【日本語領域】
近現代の日本語を中心的な対象として、文法、音声?音韻、方言などの研究を行います。また、外国語との対照や、非母語話者に対する日本語教育に関わる研究も重視しています。

【日本文化領域】
日本文化についての知識と理解を深め、美術史学、社会学などの手法を活用しつつ、日本の伝統文化や近現代文化を対象とした専門的な研究を行います。

【アジア言語文化領域】
 本領域では言語学?文献学?歴史学などの方法を用いて、主として中央ユーラシアから東南アジア大陸部の特定の地域の言語や社会の研究を進めます。

英語教育学専攻

世界の急速なグローバル化の進展や、情報通信技術の発達にともない日本社会においても英語がコミュニケーションのためのツールとして不可欠なものとなりつつあります。
このような状況の中、本修士課程は、すでに現職教員として教育実践経験をもつ者が、 日頃の教育現場で必要とされる高度な英語運用能力や職業人としての専門的な知識を向上させることは勿論、日々の教育実践に基づいて、英語教師としての技術の向上、生徒理解の促進などを含め、教育者としての自己改革を目指しています。また本修士課程は、大学教員と小?中?高校教員が理論と実践を学び合い情報を共有することを基本的姿勢としています。

修士課程の学修成果の評価

各科目の成績評価は、本研究科で定める成績評価基準および授業科目ごとに定める評価の方法?基準に基づいて行います。
修士論文(論文コース)は、主題の選択が妥当か、研究方法が主題と適合しているか、資料や文献の調査が適切に行われているか、論旨は明晰であるか、独自の主張がなされているか、などの観点から複数の審査員が総合的に評価します。
課題研究(課題研究コース)は、当該分野の学術的動向を十分に把握しているか、課題に対し正確な理解が示されているか、論旨は明晰であるか、などの観点から複数の審査員が総合的に評価します。

2016年9月 制定
2022年3月 改定
2024年7月 改定